CAPA特別編集「フィルム派カメラマンのためのスキャナー入門―ネガもポジも高画質スキャンで鮮やかに復活する」のブックレビューです。
一口に言えば、本書はフィルムスキャンのハウツー本です。
専用フィルムスキャナー、フィルムスキャン対応フラットベッドスキャナーで、ネガやポジフィルムをスキャンする方法、きれいにスキャンするテクニックを紹介。
丁寧にフィルムスキャンのテクニックが紹介されているので、これ一冊あれば、フィルムスキャンの基本はマスターできるはず。
また、古いフィルムにありがちな、カールしたフィルムのスキャン方法として、フラットベッドスキャナーのガラス面に直接置き、アンチニュートンガラスを上に置く方法なども紹介されており、入門とはいえ、基本的テクニックにとどまらず、細かい部分にまで突っ込まれています。
本書は2007年発行で、紹介されているスキャナーは少々古いものの、スキャンテクニックを知る上では問題ないと思います。
また、たとえ古い機種でも充分美しいフィルムスキャンが可能な例として、フィルムスキャンの方法公開しているサイト「
ネガフィルムスキャン入門 改訂版 2009:Xylocopal's Photolog」があります。
ここでは、取り込み解像度2400dpi、EPSON GT-X750やEPSON GT-F520でスキャンされた美しい写真を掲載。
フラットベッドスキャナで解像度2400dpiもあれば、美しいフィルムスキャンが可能なことを認識させてくれます。
すでに中古本しか手に入らない本書ですが、フィルムスキャンをしたいなら、持っていて損はない一冊です。
目次
- スキャナーの基礎知識
- スキャナーの種類としくみ
- スキャン作業の手順
- ドライバーソフトの起動
- 解像度の概論
- 解像度設定とプリントサイズ
- ホコリ対策とホコリ除去
- ヒストグラム/概論
- ヒストグラム/実践活用術
- トーンカーブ/概論
- トーンカーブ/実践活用術
- 色補正の基本
- アンシャープマスク
- カラーマネージメント
- 色あわせの必要性
- モニターのキャリブレーションの実践
- プロファイルの設定
- 色空間について
- キャリブレーターカタログ
- ビット数とデータ保存
- デジタルライブラリー構築
- 元寇モデルのスキャン力テスト
- エプソンF-3200、ニコン クールスキャンV ED、ニコン スーパークールスキャン5000ED、ニコン スーパークールスキャン9000ED、キヤノンCanoScan8600F、エプソンGT-X900
- スキャナー別実践テクニック
- エプソン GT-X900
- ドライバーソフトの使い方
- 透過光で輝く「新緑」
- 明暗差のある「日の入り」
- 色鮮やかな「紅葉」
- 階調が豊かな「ポートレート」
- 高コントラストの「街角スナップ」
- エプソン GT-X750&PM-A970
- エプソン F-3200
- ドライバーソフトの使い方
- 青空のきれいな「スナップ」
- 明暗差のある「日の入り」
- 色鮮やかな「花」
- 白さを生かしたい「ポートレート」
- ニコン クールスキャン V ED
- ドライバーソフトの使い方
- 青空のきれいな「風景」
- 明暗差のある「夕景」
- 黄色とオレンジ一面の「花畑」
- 肌のトーンをいかしたい「ポートレート」
- メリハリのある「街角スナップ」
- ニコン スーパークールスキャン5000ED
- ニコン スーパークールスキャン9000ED
- キヤノン CanoScan8600F
- ドライバーソフトの使い方
- 色彩豊かな「花畑」
- 階調豊かな「ポートレート」
- 明暗差のある「スナップ」
- スーパースキャンテクニック
- カラーネガの色づくり
- カラーネガの超階調を引き出す
- 露出の違うポジフィルムを合成
- モノクロネガのスキャン
- カールしたフィルムのスキャン
- ベタ焼きヲ作る
- 主要スキャナースペック一覧表