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Home > [レビュー] パソコン > Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (第10世代インテル) 実機レビュー
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Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (第10世代インテル) 実機レビュー



レビューに使用したパソコンは、プレゼント企画で当選したパソコンです。
貸出機に使われていた機体で中古品です。

追記
以下で記載している「標準設定の『高パフォーマンス・Quadro P520有効』の場合、グラフィック周りでパフォーマンスが著しく低い」という問題の原因が分かりましたので、記事を公開しました。

結論から言うと、原因は「Lenovo Intelligent Thermal Solution Service」にありました。
このサービス「LITSSVC」を無効にすると高パフォーマンス設定時でもQuadro P520のCINEBENCH R15のOpenGL値は、最も高いパフォーマンスと同等の値が出ました。

しかし「Lenovo Intelligent Thermal Solution Service」はファンコントロールも行っているようなので、これを無効化して常用するのは避けた方がよさそうです。
結果、『高パフォーマンス・Quadro P520有効』でQuadro P520のパフォーマンスを上げるのは難しそうです。

Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (第10世代インテル) レビュー 概要

Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (第10世代インテル)は、i7-10610UとQuadro P520を搭載したレノボの14型モバイルワークステーションです。
※ThinkPad P14sの最新モデルはThinkPad P14s Gen 3(第12世代インテル)です。

薄型コンパクトで、MIL-SPECのテストをクリアした筐体は堅牢性が高く、液晶を閉じていれば片手で手軽に移動できます。

本体の表面処理は、マットでサラサラとしつつ、どこかしっとりしていて非常に手触りが良いです。パームレストや底面まで同様の処理がされているので、全体的に仕上がりにまとまりがあります。

本機に搭載されている液晶は、14型 4K-UHD 3840x2160 IPS 100%Adobe RGB 500nit 光沢液晶で、クリアな表示と偏りのない色が美しく、長時間の使用でも目は疲れないでしょう。
ディスプレイの最大輝度が500nitあり、輝度100%だとまぶしいです。50%ほどでちょうどいい感じ。

キーボードの打鍵感はしっかりしていて、普段ThinkPad T520を使っている自分がタイプしても違和感がありません。一番気になる部分でしたがやっぱりThinkPadだという感じ。とても魅力的なパソコンです。

反面、パフォーマンスについては少し残念な結果です。
ベンチマークテストで、標準設定である「高パフォーマンス(バッテリーアイコンのパフォーマンス設定で真ん中)・Quadro P520有効」の場合、特にグラフィック周りでパフォーマンスが著しく低い結果が出ました。
Quadro P520を無効にしてIntel UHD 620を有効にした状態よりも半分以下の性能しかでていません。
Quadro P520有効・最も高いパフォーマンスに設定すると問題なく性能は出ます。
不思議なのはQuadro P520は、高パフォーマンス、最も高いパフォーマンスどちらも100%で動いているところです。Quadro P520が動いているのにIntel UHD 620より性能がでない。
詳しくは「Lenovo ThinkPad P14sのパフォーマンス」の項目を参照してください。

標準設定の「高パフォーマンス・Quadro P520有効」で性能が出ない要因は色々と考えられますが、後日調査しようと思います。

Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (第10世代インテル) レビュー機のスペック

Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (20S4CTO1WW) レビュー機のスペック
型番 20S4CTO1WW
CPU Intel Core i7-10610U (4コア/8スレッド/1.8GHz-4.9GHz)
メモリ 32GB(基板実装16GB+16GB DDR4-3200:Samsung M471A2K43DB1-CWE)
ストレージ 512BGB (PCIe NVMe/M.2 2280) PCIe3.0x4 (Samsung MZVLB512HBJQ-000L7 片面実装)
ディスプレイ 14型 4K UHD 3840x2160(16:9) IPS 100%Adobe RGB 500nit 光沢 (BOE NE140QUM-N61) Dolby Vision対応
X-Rite Pantone factry color calibration
グラフィックス Intel UHD Graphics 620 / NVIDIA Quadro P520 (VRAM 2GB GDDR5 DirectX12)
外部端子 USB-C 3.2 Gen1×1(左、AC電源入力に使用)、USB-C 3.2 Gen2×1(ThunderBold3、左)、USB-A 3.2 Gen1×2(左右、うち右はPowered USB)、HDMI出力×1、3.5 mm マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック×1 (左)、MicroSD cardreader×1(左)、ケンジントンロック×1(右)、Ethernet×1、ドッキングコネクタ(左、USB-C×2と併せて使用)
スピーカ ステレオスピーカー(2.0Wx2)(Dolby Audio対応、キーボード上部)
通信 イーサネット:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T (右、Intel Eathernet Conection I219-LM)、無線LAN:801.11ax 2x2 Wi-fi a/b/g/n/ac/ax (Intel Wi-Fi6 AX201) 、Bluetooth v5.1 M.2 Card、4G LTE (Fibocom L850-GL Nano SIM)
Webカメラ HD 720p+IR カメラ、ThinkShutter付 (物理式プライバシーシャッター)
セキュリティ 顔認証(Windows Hello対応) 、指紋認証
本体サイズ 約329x227x18.9mm
重量 約1.47kg
バッテリー駆動時間 約15.1時間(JEITA2.0)
ACアダプター 入力100-240V 1.8A 50/60Hz 、出力:20V 3.25A 65W (FPU PN:02DL129)
製造日 2020年9月
※ThinkPad P14sの最新モデルはThinkPad P14s Gen 4(第13世代インテル)です。

ThinkPad P14s Gen 4(第13世代インテル)製品ページへ

Lenovo ThinkPad P14s Gen1 の本体レビュー

外観

ThinkPad P14sの天板
ピーチスキンのマットブラックなボディーはThinkPadらしい。
ピーチスキンの処理は天板、底面、パームレストなど前面に処理されていて、しっとり感がある。
現在メインで使っているThinkPad T520は天板のみさらさらドライな感じのピーチスキンで、他はシボのついたブラックのプラスチック。

ThinkPad P14sの底面
底面には排気ファンの吸気口がある。
他は放熱口だろうか。

大きさ・重量

ThinkPad P14sの底面
14インチ 16:9液晶のThinkPadのP14s大きさは、A4サイズの用紙より一回り大きいサイズ。

ThinkPad P14sの厚さ
厚さは後部で約21mm、前部で20.5mm(ゴム足含む)。
後部のゴム足の方が若干高いので、本体の厚さは同じだろう。

ThinkPad P14sとThinkPad T520の大きさの比較
14インチ 16:9液晶のThinkPadP14sと15.6インチ 16:9液晶のThinkPad T520を比較すると、液晶のサイズ以上にThinkPad P14sがコンパクトになっていることが分かる。
液晶を開いた状態でThinkPad P14sの高さがかなり低いのは、液晶が1サイズ小さいのと本体の厚さが約半分だからだろう。
液晶のベゼル幅はThinkPad T520よりわずかに狭い程度。

重量はカタログ値で約1.47kg。
ThinkPad T520の約2/3(ThinkPad T520はカタログ値で約2.6Kg)でかなり軽く感じる。

ThinkPad P14sのACアダプター
ThinkPad P14sのACアダプターは65W (20V 3.25A)
ThinkPad T520 (i5-2520M+NVS4200M) は90WのACアダプターでないと本領を発揮できないので、ThinkPad P14sはかなり省電力になった。
電源コネクタはLenovoの独自形状ではなくUSB-C。
汎用性があって良いが、長い間使っていると本体のUSB-Cコネクタが破損しそうで怖い。

インターフェイス

ThinkPad P14sの左側面のインターフェイス
左側には、USB-C 3.2 Gen1(AC電源入力に使用)、USB-C 3.2 Gen2(ThunderBold3)、ドッキングコネクタ(USB-C×2と併せて使用)、USB-A 3.2 Gen1、HDMI出力、3.5 mm マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック×1 (左)、MicroSD cardreader×1(左)。

ThinkPad P14sの右側面のインターフェイス
右側には、ケンジントンロック、Ethernetコネクタ、排気口、USB-A 3.2 Gen1(Powered USB)。
オプションでスマート カード リーダーが付けられる。

ThinkPad P14sの背面のインターフェイス
背面には、nanoSIMカードスロットのみ。
ユーザーガイドにはペーパークリップを使えとあり、穴のサイズはちょうどよかった。

液晶パネル

ThinkPad P14sの液晶パネル
液晶パネルは、14型 4K UHD 3840x2160(16:9) IPS 100%Adobe RGB 500nit 光沢 (BOE NE140QUM-N61) X-Rite Pantone factry color calibration、 Dolby Vision対応。
カラーキャリブレート済みなので色の偏りもなく、非常に美しい液晶パネル。
クリアな表示の光沢液晶が自分好み。非光沢液晶だと光を拡散させるためのツブツブとの関係で、液晶がギラギラしていたり、文字が滲んだりで目が疲れるものもあり、当たり外れがあるのが難点。
リフレッシュレートは60Hzでフリッカーフリー。
液晶輝度500nitは十分すぎる明るさで、室内なら50%程度で十分明るい。

ThinkPad P14sの液晶パネルを上から見たところ
液晶を上から見たところ。
IPS液晶なので視野角は広く、色の変化は感じられない。

ThinkPad P14sの液晶パネルを横から見たところ
液晶を横から見たところ。
同様に視野角は広く、色の変化は感じられない。

COLOR CALIBRATED Powered by X-Rite PPANTONE
「COLOR CALIBRATED Powered by X-Rite PPANTONE」のシールがパームレストに張ってある。

ThinkPad P14sの液晶開度
液晶はほぼ180度開く。
液晶ベゼル下部の一部が本体下に潜り込み、180度開きへの強い意志が感じられる。

ThinkPad P14s天板の閉じる角度
ThinkPad P14sの液晶はラッチ固定式ではなく、ある程度の角度まで閉じるとバネでパタンと閉じる設計。
画像の角度からもう少し閉じると液晶が自動で閉じる。
この方式も嫌いではないが、不用意に液晶を閉じると勢いで液晶に傷がつかないか心配だ。

なお液晶を開けるときは、本体を抑えていないと本体が浮き上がってしまう。

ThinkPad P14sの天板のThink Padロゴ
天板のThinkPadロゴの赤い点が光るようになっている。
AC電源につないだときは数回点滅し、スリープ時にはゆっくりと点滅する。

キーボード

ThinkPad P14sのキーボード
キー配列は最近のThinkPadで一般的な6段日本語配列。
ThinkPaad T520の7段配列より若干キーの数は減っているが、使用上ほとんど問題ない。
やっぱりトラックポイント付きキーボードはいい。

ThinkPad P14sのキーピッチ
キーピッチは19mmでちょうどよいピッチ。
ThinkPad T520からThinkPad P14sに変えても、手に馴染み感がある。

ThinkPad P14sのキーストローク
キーの高さ(キーストローク)は約1.5mmで、比較的浅めでタイプできる。しっとりしつつ適度にクリック感がある。
ThinkPad T520のキーストロークは2.5mmで、1mmほどストロークは少なくなっているが、特に違和感なくタイプできる。
ThinkPad T520のタイピングはバシャバシャとキータッチの音がして少々騒がしいが、ThinkPad P14sはまったく騒がしくないのがいい。

ThinkPad P14sの左右クリックボタンとセンターボタン
トラックポイントとセットで使う左右クリックボタンとセンターボタン。
ThinkPad P14sのキーボードは意外と違和感がなかったが、左右クリックボタンとセンターボタンはボタンのでっぱりが少なく、指が押すべき位置を迷ってしまう。
しばらく使っていれば慣れるでしょう。

ThinkPad P14sのキーボードバックライト
ThinkPad P14sのキーボードバックライトは、消灯、暗い、明るいの3段階。F+スペースキーで切り替えられる。

ThinkPad P14sのタッチパッド
ThinkPad P14sののタッチパッドのタッチパッドは100mm。パッド下部は左右クリックボタンになっている。
有効無効はWindowsの設定からできる。

その他

ThinkPad P14sのスピーカー
Dolby Audio Speaker Systemに対応したスピーカーは電源ボタンベゼル部のF4とF11キーの上部あたりにある。
音量音質ともにThinkPad T520よりアップしていて良い感じ。

ThinkPad P14sのパームレスト端が気になる
コピペを行うときは小指をCtrlの位置に持ってくるが、パームレストの角が掌に当たって気になる。
ThinkPad T520やR61、X60sを見るとすべてこの部分は丸みが付けられており、とても優しい感触がある。
最近のノートPCはどれも同じような形なので、ThinkPad P14sに限った話ではないが、以前のThinkPadのような細かい気配りのようなものがあると嬉しい。

ThinkPad P14sのパフォーマンス

以下のソフトを使用してThinkPad P14sのパフォーマンスを測った。
パフォーマンス測定時のWindows10とドライバー類は最新(2022/9/5時点)。
Windows10をMicrosoftからダウンロードしてクリーンインストール。Lenovo VantageでBIOSとドライバーを最新にし、その後Windows Updateを行っている。

※最初の「Lenovo ThinkPad P14s Gen1 (第10世代インテル) レビュー 概要」で、標準設定の「高パフォーマンス(バッテリーアイコンのパフォーマンス設定で真ん中)・Quadro P520有効」で性能がでないと記載したが、ThinkPad P14sを入手した状態(おそらくメーカー出荷と同じリカバリーされた状態)で一度計測しており、そのときも性能が出ていなかった。
  • CrystalDiskInfo
  • CristalDiskMark
  • Cinebench (R15/R20)
  • PCMARK10
  • Aviutlエンコード
  • 3D MARK デモ版(Time Spy、Fire Strike、Night Raid)
  • ドラゴンクエストX ベンチマーク
  • FF14 ベンチマーク
  • FF15 ベンチマーク

Aviutlエンコードでは、エンコード時間、CPU温度、クロックスピードの推移を見ていく。
ThinkPad P14s単体だとパフォーマンスが分かりづらいので、比較対象として以下のパソコンの計測値も掲載している。
なおゲームベンチマークはThinkPad P14s、Legion 760、MouseComputer MPro T376Xのみ。

ベンチマーク測定PCのスペック
ベンチ測定PC CPU グラフィックス ストレージ
ThinkPad P14s i7-10610U (4コア/8スレッド/最大4.9GHz) Quadro P520 Samsung MZVLB512HBJQ-000L7 512GB MNMe(PCIe3.0x4)
Legion 760 Ryzen7 5800H (8コア/16スレッド/最大4.4GHz) RTX 3080 Samsung MZVLB1T0HBLR 1TB NVMe(PCIe3.0x4)
Lavie N15 i5-1135G7 (4コア/8スレッド/最大4.2GHz) インテル Iris Xe グラフィックス 東芝(KIOXA)KXG6AZNV256G 256GB NVMe(PCIe3.0x4)
Surface laptop2 i5-8250U (4コア/8スレッド/最大3.4GHz) インテル UHD グラフィックス 620 SKhynix BC501 256GB NVMe(PCIe3.0x2)
ThinkPad T520 i5-2520M (2コア/4スレッド/最大3.2GHz) NVIDIA NVS 4200M Crucial MX500 (SATA3)
MPro T376X i7-6700 (4コア/8スレッド/最大4.0GHz) GTX 1050 SanDisk SSD Plus 240GB (SATA3)
Windows10の電源モード
ThinkPad P14sのベンチマーク測定ではWindows10の電源モードの設定を変え、「最も高いパフォーマンス」、「高パフォーマンス」両方で測定し。
ゲームベンチでは3D MARK デモ版とFF15のみ「最も高いパフォーマンス」だけで測定。
電源モードの設定はWindowsの通知領域にある電源アイコンをクリックすると表示される。
標準では「高パフォーマンス」となっている。

CrystalDiskInfo

ThinkPad P14sのCrystalDiskInfo Samsung MZVLB512HBJQ-000L7
Samsung MZVLB512HBJQ-000L7 512GB MNMeが搭載されている。
転送モードはPCIe3.0x4

CristalDiskMark

ThinkPad P14sのCristalDiskMark Samsung MZVLB512HBJQ-000L7
ThinkPad P14s Samsung MZVLB512HBJQ-000L7 512B NVMe SSDのベンチマーク値。
同じNVMe PCIe3.0×4のLegion 760に搭載されたSamsung MZVLB1T0HBLR 1TB NVMeと近い。
若干ランダム値とSEQ1M Q1T1の書き込みが遅い程度。

Cinebench

Cinebench R15
ThinkPad P14sのCinebench R15
ThinkPad P14sのCinebench R15 ベンチマーク値。
高パフォーマンス時のOpenGL値が23.41fpsと異常に低い。何度か測定したが似たような値しか出なかった。

ThinkPad P14s Quadro P520無効時のCinebench R15測定値
デバイスマネージャーでQuadro P520をオフにし内蔵グラフィックス(Intel UHD Graphics 620)が動くようにして測定すると、52.10fpsという値が出た。
この値は同じIntel UHD Graphics 620のSurface Laptop2の43.47fpsに近い値。
どうやら高パフォーマンス・Quadro P520有効という条件で、OpenGL値が低くなるようだ。

測定時にタスクマネージャーのパフォーマンスタブを見ていたが、最も高いパフォーマンスと高パフォーマンスどちらもQuadro P520はほぼ100%で動いていた。
なぜか高パフォーマンスではQuadro P520は働いているものの、出力に生かされていないようだ。

Cinebench R15測定グラフ
各パソコンのCinebench R15測定値グラフ。
ThinkPad P14s 高パフォーマンス・Quadro P520有効時のOpenGL値の低さが際立っている。

ThinkPad P14sが高パフォーマンス・Quadro P520有効時に性能が低いのは、ThinkPad P14sの仕様なのか、本体の不具合なのか、Windows10とNVIDIA Optimusの相性なのか、NVIDIAコントロールパネルで細かく設定しないとならないのか、ベンチマークソフトの相性なのか。
後日色々と確認してみたいと思う。
Cinebench R20
ThinkPad P14sのCinebench R20
ThinkPad P14sのCinebench R20 ベンチマーク値。

ThinkPad P14sのCinebench R20
Cinebench R20 ベンチマーク値比較グラフ。
高パフォーマンスでi5-8250Uより値が低いのは、測定誤差の可能性や、電源プランがバランス設定なのでWindows10のバージョン違いやパソコンの仕様が影響している可能性がある。
下で測定したAviutlエンコードで、i5-8250UのSurface Laptop2とThinkPad P14sでは、同じバランス設定にも関わらずCPU温度やクロックスピードの推移の仕方に違いが見られることからも分かる。

Aviutlエンコード

ThinkPad P14sでAviutlエンコード
用意した動画ファイルをエンコードし、エンコード時間、CPU温度、クロックスピードの推移を計測した。
Aviutlのエンコードは基本的にCPUのみで行われ、CPUのパフォーマンス変化を比較することで、主にPCの冷却性能やCPUの出力の仕方が見えてくる。
素材
MOV 1280x720 8Bit AVC/H.264 Baseline@3.1 1:1 Progressive 29.97fps 7319f 8396.89kb/s
長さ:4分4秒 / サイズ:244MB
エンコード内容
ThinkPad P14s Aviutlエンコードの内容
素材を1280×720→1920×1080に変換。
x264でプロファイルを「Youtube」に設定。
そのほかは変更なし。
計測時の室温
Aviutl エンコード 計測時の室温
ThinkPad P14s 28℃
Legion 760 28℃
Lavie Direct N15 22℃
Surface laptop2 32℃
ThinkPad T520 28℃
MPro T376X 18℃
エンコード時間
ThinkPad P14s Aviutlエンコード時間
ThinkPad P14s Aviutlエンコード時間。
CPUの性能なりの値。
最も高いパフォーマンスと高パフォーマンスの差は3分弱なので、簡単な編集内容なら高パフォーマンスで十分。

Aviutlエンコード時間比較グラフ
Aviutlエンコード時間比較グラフ。
Aviutlのエンコードは基本的にCPUのみので行われるので、CPUと電源設定の出力性能が見えてくる。
ThinkPad P14sのi7-1-610Uは最も高いパフォーマンスでもi5-1135G7(バランス設定)と同等で、11世代i5のパフォーマンスの高さが分かる。
CPU温度とクロックスピードの推移
Aviutlエンコード時のCPU温度とクロックスピードの推移は、Core Tempのログ機能を使って計測した。
掲載しているグラフは、各コアの温度およびクロックスピードをコア数で割り平均したもの。

ThinkPad P14s Aviutlエンコード時の平均クロックスピード
ThinkPad P14s Aviutlエンコード時の平均クロックスピード。

「最も高いパフォーマンス」では最初に4GHzオーバーで動き出すが、すぐに3GHzほどに下がり、5分ほど経つとさらに2.5GHz程度まで落ちた。
CPUは終始100%で動作しており、冷却が追い付いていない印象。

「高パフォーマンス」では最後まで2GHz強で安定したクロックスピードで動作していた。

ThinkPad P14s Aviutlエンコード時の平均温度
ThinkPad P14s Aviutlエンコード時の平均温度。

最も高いパフォーマンスでは、最初に100℃近い温度に上がったあと90℃あたりをウロウロしながら、5分ほど経つとさらに80℃ほどに落ちた。クロックスピードの変化に合わせて温度も変化している。

高パフォーマンスでは終始70℃弱。
最も高いパフォーマンスとのエンコード時間の差は3分程度なので、簡単な編集では安定していてCPU温度も比較的低めな高パフォーマンスでエンコードしたほうが良さそうだ。

PCMARK10

Cinebench R15ベンチマークにおいて、パフォーマンス・Quadoro P520有効の設定でOpenGL値が著しく低いので、Cinebench R15との相性を疑い、PCMARK10で以下の組み合わせでベンチマークを測定してみた。
  • 最も高いパフォーマンス・Quadoro P520有効
  • 最も高いパフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)
  • 高パフォーマンス・Quadoro P520有効
  • 高パフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)

PCMARK10 各ベンチマークテスト内容
  • Essentials:アプリ起動速度・Webブラウジング・ビデオ会議処理テスト
  • Productivity:ワープロソフト・表計算ソフトの処理テスト
  • Digital Content Creation:写真・動画・3Dレンダリングのテスト

ThinkPad P14s PCMARK10 ベンチマーク値
ThinkPad P14s PCMARK10 ベンチマーク値。

「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」の設定では、「Digital Content Creation」すべての値がIntel UHD 620を下回っている。
Quadoro P520が動いていたのは「Rendering and Visualization Score」のみのはず。
さらにQuadoro P520が動いていなかったEssentialsやProductivityの値まで低く、「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」の組み合わせではPC全体のパフォーマンスが低くなっている。
ThinkPad P14sとCinebench R15だけの相性問題ではなさそうだ。

なおベンチマークの測定は「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」を最初に測定しており、CPUが利用率が5%以下の時に測定しているのでバックグラウンドで他の処理が邪魔をしているとか、CPU温度が高いということはない。

対照的に、「最も高いパフォーマンス・Quadro P520有効」では想定通りの結果となった。
Quadro P520が動いている「Rendering and Visualization Score」の値が「最も高いパフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)」より高く、他のテストでは値がほぼ同じ。
トータルで一番高いベンチマーク値を出している。

3D MARK デモ版(Time Spy、Fire Strike、Night Raid)

このテストではすべて「最も高いパフォーマンス・Quadro P520有効」のみで行っている。
「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」では力不足なので。
Time Spy
ThinkPad P14s 3D MARK Time Spy ベンチマーク値とモニタリンググラフ
ThinkPad P14s 3D MARK Time Spyのベンチマーク値とモニタリンググラフ。

3D MARK Time Spy ベンチマーク結果
PCスコアグラフィックスのスコアCPUスコア
ThinkPad P14s 1007 919 2226
Legion 760 11973 12394 9253
MPro-T376X 2007 1835 4305
Fire Strike
ThinkPad P14s 3D Fire Strike ベンチマーク値とモニタリンググラフ
ThinkPad P14s 3D MARK Fire Strikeのベンチマーク値とモニタリンググラフ。

3D MARK Fire Strike ベンチマーク結果
PCスコアグラフィックスのスコア物理スコア総合スコア
ThinkPad P14s 2678 2946 9652 969
Legion 760 25710 29787 25412 12799
MPro-T376X 5939 6711 10439 2367
Night Raid
ThinkPad P14s 3D Night Raid ベンチマーク値とモニタリンググラフ
ThinkPad P14s 3D MARK Night Raidのベンチマーク値とモニタリンググラフ。

3D MARK Night Raid ベンチマーク結果
評価スコアグラフィックスのスコアCPUスコア
ThinkPad P14s 9606 10479 6527
Legion 760 55735 116720 14072
MPro-T376X 19422 26427 7763
3D MARKテストで興味深かったのが、若干上下はしているもののAviutlエンコードのような4GHz以下に落ち込むようなクロック低下が起こっていないこと。
CPUが常に100%で動いていたAviutlと、多少息継ぎもできGPUも使っているゲームベンチでは違うようだ。

ドラゴンクエストX ベンチマーク

以下の各設定の組み合わせでベンチマークを測定した。
  • 最も高いパフォーマンス・Quadoro P520有効
  • 最も高いパフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)
  • 高パフォーマンス・Quadoro P520有効
  • 高パフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)

ThinkPad P14s ドラゴンクエストX ベンチマーク値
グラフィック設定:標準品質
解像度:1920x1080
表示方法:フルスクリーン
ThinkPad P14sでは力不足なので、設定を軽くしている。

以下のベンチマーク値はThinkPad P14s以外、最高品質で測定。

ドラゴンクエストX ベンチマーク参考値
評価スコア評価
ThinkPad P14s
標準品質
6274(最も高い・P520) 快適
5904(最も高い・Intel) 快適
2414(高・P520) やや重い
4788(高・Intel) 普通
Legion 760 21424 すごく快適
MPro-T376X 17760 すごく快適
ドラクエXベンチでも「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」がIntel UHD 620より低い値になった。
Quadoro P520有効設定時、Quadoro P520が動作しているのを確認済み。

FF14 ベンチマーク

以下の各設定の組み合わせでベンチマークを測定した。
  • 最も高いパフォーマンス・Quadoro P520有効
  • 最も高いパフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)
  • 高パフォーマンス・Quadoro P520有効
  • 高パフォーマンス・Quadoro P520無効(Intel UHD 620有効)

ThinkPad P14s FF14 ベンチマーク値
グラフィック設定:標準品質(ノートPC)
解像度:1280×720
表示方法:ウィンドウ。
ThinkPad P14sでは力不足なので、設定を軽くしている。

FF14ベンチでも「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」がIntel UHD 620より低い値になったが、それほど値に差がない。
もう少し設定を重くすれば差が出たのかもしれない。
Quadoro P520有効設定時、Quadoro P520が動作しているのを確認済み。

以下のベンチマーク値はThinkPad P14s以外、最高品質・1920x1080・フルスクリーンで測定。

FF14 ベンチマーク結果
PCスコア評価
ThinkPad P14s 7185(最も高い・P520) やや快適
4410(最も高い・Intel) 普通
3161(高・P520) 設定変更を推奨
3736(高・Intel) 設定変更を推奨
Legion 760 18642 非常に快適
MPro-T376X 7022 やや快適
FF14ベンチでも「高パフォーマンス・Quadoro P520有効」が一番低い計測値。ただIntel UHD有効時との差は少ない。

FF15 ベンチマーク

このベンチマークでは「最も高いパフォーマンス・Quadoro P520有効」のみ計測。
他の設定では重すぎるため。

ThinkPad P14s FF15 ベンチマーク値
グラフィック設定:軽量品質
解像度:1280×720
表示方法:ウィンドウ。
ThinkPad P14sでは力不足なので、設定を軽くしている。
以下のベンチマーク値はThinkPad P14s以外、高品質・1920x1080・フルスクリーンで測定。

FF15 ベンチマーク結果
PCスコア評価
ThinkPad P14s(最も高い・P520) 2064 重い
Legion 760 10644 とても快適
MPro-T376X 2305 重い

Lenovo ThinkPad P14sの感想

普段使っているThinkPad T520と比較すると、筐体の剛性感がかなり高く移動させるにもとても安心感がある。
光沢液晶も美しく、クリアでくっくりとした表示がとてもいい。
非光沢液晶にありがちなギラギラした感じや、文字の輪郭がボヤけたり滲んだりしていない。
14型16:9 4K液晶でスケーリング250%にすると、ThinkPad T520の15.6型 16:9 フルHD液晶ではスケーリングを125%と同じ実質画面解像度(1536×864)になる。
ただ液晶サイズが小さいため表示も少し小さくなってしまう。

パフォーマンスについては、ThinkPad T520と比較するまでもなく高性能だと感じたが、やはり標準設定の「高パフォーマンス・Quadro P520」の組み合わせで、Intel UHD 620を有効にした場合よりパフォーマンスが低いのが気になる。
ちょっとしたWEB閲覧などでは気にならなかったが、グラフィック処理が必要な場面では重さを感じてしまうかもしれない。

もう一つ気になるところはパームレスト端の角が、親指の付け根あたりに当たること。
文字入力している時には気にならないが、コピペのショートカットキーや、WEB閲覧やシフトキーでページダウンなど多用しているので気になった。
他のノートPCもほぼパームレスト端の角があるので、ThinkPad P14s固有の問題ではない。ThinkPad T520を使っているからこそ気になったこと。

気に入った点

  • コンパクト軽量で剛性が高く、片手でつかんで家の中で移動させるのに安心感がある。
  • 液晶がすばらしい。光沢液晶のクリアな表示が気持ち良い。偏りのない色と高輝度にも満足。
  • スピーカーの音量、音質ともにいい。以前レビューしたLegion 760ほどの迫力はないが、ThinkPad T520より音量・音質ともに良く、進化しているんだなという印象。
  • キーボードのタイプがThinkPad T520よりかなり変わったが、違和感なく手になじむ。
    トラックポイントもやっぱりいい。

気になった点

  • 標準設定の「高パフォーマンス・Quadro P520」の組み合わせでパフォーマンスが低い。
    これは後日色々と調べてみる。
  • パームレスト端の角が、親指の付け根あたりに当たる。
  • 液晶を片手で開けない。閉じるときはパタッと閉じると液晶にダメージがありそうで怖い。
  • 電源コネクタがUSB-Cでヤワな印象。電源コードをつないだままPCを動かしたり、コードを抜きさしていると、コネクタが破損しそう。
    これは対策品を購入済みなので後日レビューする。

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