レビューに使用したパソコンは貸出機です。
Lenovo Legion 760 レビュー機のスペック
レノボのゲーミングノートパソコンのハイエンドモデルです。
全体的に剛性が高く、細かい意匠にもこだわって高級感が漂っています。
パソコンの側面後部から背面にかけての大きな排気口がゲーミングパソコンらしい。
16型WQXGA 2560x1600 IPS 非光沢液晶が美しく、細かい使い勝手も考えられたゲーミングパソコンです。
Lenovo Legion 760 レビュー機のスペック
型番 |
82N6006RJP |
CPU |
AMD Ryzen7 5800H (8コア/16スレッド/3.2GHz-4.4GHz) |
メモリ |
16GB |
ストレージ |
1TB (PCIe NVMe/M.2) PCIe3.0x4 |
ディスプレイ |
16型 WQXGA 2560x1600 IPS 非光沢 165Hz |
グラフィックス |
NVIDIA GeForce® RTX 3080 (VRAM 16GB) |
外部端子 |
Type-C:USB 3.1×2 (左:DisplayPort出力機能付き、背面:DisplayPort出力機能付き、Powerdelivery対応)、Type-C:USB 3.0×1 (右)、Type-A:USB 3.0×3 (背面 内、Powered USBx1)
3.5 mm マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック×1 (左)
HDMI出力×1(背面) |
スピーカ |
ステレオスピーカー(2.0Wx2)(底面) |
通信 |
イーサネット:100BASE-TX/1000BASE-T (背面)、Killer™ Wireless-AX 1650、Bluetooth v5.1 |
Webカメラ |
前面:HD 720p カメラ)、プライバシーシャッター(電子式) |
セキュリティ |
顔認証(Windows Hello対応) |
本体サイズ |
約356x261.8x20.1~23.5mm |
重量 |
約2.5kg |
バッテリー駆動時間 |
約2.7時間(JEITA2.0) |
ACアダプター |
100-240V(50/60Hz) 300W |
発売日 |
2021年3月30日 |
Lenovo Legion 760の本体レビュー
外観
メタリックグレーでマットな外観と、光沢のあるロゴで高級感が漂う。
底面後部には大きなメッシュの吸気口がある。
メッシュ部のLegionのロゴは、メッシュの内部にある排気ファンにあしらわれている。
底面前部には2Wのスピーカーを左右に配置。
大きさ・重量
16インチ液晶を搭載しているLegion 760の大きさは、A4サイズの用紙より一回り大きいサイズ。
16インチ 16:10液晶のLegion 760と15.6インチ 16:9液晶のThinkPad T520を比較すると、本体の横は若干小さく、縦は若干大きい。
液晶のサイズを測ると、Legion 760が345×216mm、ThinkPad T520が345×195mmで、Legion 760の方が縦に21mmほど縦に大きい。
またLegion 760の液晶のベゼルはほとんどないようなものだが、ThinkPad T520のベゼル幅は広い。
Legion 760の厚みはThinkPad T520の2/3ほど。
厚さは後部で約2.85mm、前部で24.5mm(ゴム足含む)。
重量はカタログ値で約2.5kg。
ThinkPad T520もカタログ値で約2.6Kgとほぼ同じ。
サイズ:約198x98mm。
重量約876g(電源ケーブル含まず)
300WのACアダプタはかなり大きく、ケーブルはデスクトップPCと同等の太さ。
右はThinkPad T520で使っている90WのACアダプタ。
インターフェイス
左側には:排気口、USB 3.1 Type-C(DisplayPort出力機能付き)、3.5 mm マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック。
右側には排気口、WEBカメラ用電子式プライバシーシャッター、USB 3.0 Type-C。
背面には、左からイーサネット、USB 3.1 Type-C(DisplayPort出力機能付き、Powerdelivery対応)、USB 3.0 Type-A x2、HDMI、USB 3.0 Type-A (Powered USB)、電源ジャック。
電源を入れると、コネクタ上部の文字が光る。
Fn+Uで非点灯も選択可能。
電源ランプはバッテリーが充電中だと赤く光る。
液晶パネル
16型 WQXGA 2560x1600(16:10) IPS 非光沢 165Hz。
色の偏りは感じられず、非常に美しい液晶パネル。
非光沢液晶だと光を拡散させるためのツブツブとの関係で、液晶がギラギラしていたり、文字が滲んで見えることがあるが、この非光沢液晶が長時間見ていても疲れない。
Fn+Rで液晶のリフレッシュレートを60Hzと165Hzに切り替えられる。
液晶を上から見たところ。
IPS液晶なので視野角は広く、色の変化は感じられない。
液晶を横から見たところ。
同様に視野角は広く、色の変化は感じられない。
液晶ベゼルのセンター部分に突起があり、指を引っかけて液晶パネルを開けやすくなっている。
天板のLEGIONロゴ部が電源を入れると光る。
スリープ時にはここがゆっくりと点滅する。
Fn+Lで非点灯にもできる。
液晶は180度開く。
ヒンジ側面にLegionのロゴ。
キーボード
キー配列は、テンキー付きの一般的な日本語配列。
「¥」「Back Space」「Return」キー周囲のキー幅やキー間隔が狭くなっており、慣れないと打ち間違いをしやすい。
実際バックスペースを押したつもりが、「Num Lock」を押してしまうことがあった。
キーピッチは19mmでタイピングしやすい。
キーの高さ(キーストローク)は約1mmで、かなり浅くタイプできる感触。
しっとりとした感触で入力しやすく、剛性も高い。
タイピングしても騒がしくなく、適度にクリック感があるのがいい。
Fnキーを押すと、有効なキーのバックライトが光る。
以下に、Legion固有のショートカットキーを記載する。
スペースキーボードバックライトの点灯パターン切替-上下カーソルキーボードバックライトの光量調整-
Legion固有のFn ショートカットキー 一部紹介
Fn+ |
機能 |
備考 |
Q |
サーマル・モード切替 |
静音、バランス、パフォーマンス・モード |
R |
リフレッシュレート切替 |
60Hz、165Hz |
4 |
スリープ |
- |
U |
背面の端子部ライトの点灯消灯 |
- |
L |
天板のLEGION部ランプの点灯消灯 |
- |
F9 |
Lenovo vantege起動 |
- |
F10 |
タッチパッド有効無効 |
- |
F11 |
開いているウィンドウの一覧表示 |
- |
F12 |
電卓アプリ起動 |
- |
Fn+Qキーはサーマル・モード(PCのパフォーマンスモード)の設定を切り替えられる。
キーを押すごとに静音、バランス、パフォーマンス・モードに切り替わり、電源ランプの色がそれに合わせて青、白、赤に変わる。
サーマル・モードはLenovo Vantageからも設定できる。
Lenovo VantegeはFn+F9でも起動可能。
Fnキー+スペースでキーボードバックライトを光らないように、Fn+カーソルでキーボードバックライトの光量を調整することも可能だが、スピーカーの音に合わせて左から右へ、スペクトラムアナライザのように光るのはオフにできなかった。
タッチパッドは大きく幅約120mm。
タッチパッドの下部はクリックボタンになっており、左右クリックができる。
またジェスチャー機能もあり快適に使うことができる。
Fn+F10でタッチパッドの有効無効が切り替えられる。
Lenovo Legion 760のパフォーマンス
以下のソフトを使用してLegion 760のパフォーマンスを測った。
- CrystalDiskInfo
- CristalDiskMark
- Cinebench (R15/R20)
- Aviutlエンコード
- 3D MARK デモ版(Time Spy、Fire Strike、Night Raid)
- ドラゴンクエストX ベンチマーク
- FF14 ベンチマーク
- FF15 ベンチマーク
Aviutlエンコードでは、エンコード時間、CPU温度、クロックスピードの推移を見ていく。
Legion 760単体だとパフォーマンスが分かりづらいので、比較対象として以下のパソコンの計測した。
なおゲームベンチマークはLegion 760とMouseComputer MPro T376Xのみ。
Legion 760のベンチマーク測定に際し、サーマル・モード(Fn+QもしくはLenovo Vantege)でパフォーマンス・モードに設定。
ベンチマーク測定PCのスペック
ベンチ測定PC |
CPU |
グラフィックス |
ストレージ |
Legion 760 |
Ryzen7 5800H (8コア/16スレッド/最大4.4GHz) |
RTX 3080 |
SAMSUNG MZVLB1T0HBLR 1TB NVMe(PCIe3.0x4) |
Lavie N15 |
i5-1135G7 (4コア/8スレッド/最大4.2GHz) |
インテル Iris Xe グラフィックス |
東芝(KIOXA)KXG6AZNV256G 256GB NVMe(PCIe3.0x4) |
Surface laptop2 |
i5-8250U (4コア/8スレッド/最大3.4GHz) |
インテル UHD グラフィックス 620 |
SKhynix BC501 256GB NVMe(PCIe3.0x2) |
ThinkPad T520 |
i5-2520M (2コア/4スレッド/最大3.2GHz) |
NVIDIA NVS 4200M |
Crucial MX500 (SATA3) |
MPro T376X |
i7-6700 (4コア/8スレッド/最大4.0GHz) |
GTX 1050 |
SanDisk SSD Plus 240GB (SATA3) |
CrystalDiskInfo
SAMSUNG MZVLB1T0HBLR 1TB NVMe SSDが搭載されている。
CristalDiskMark
Legion 760 SAMSUNG MZVLB1T0HBLR 1TB NVMe SSDのベンチマーク値。
同じNVMe PCIe3.0×4のNEC N15の東芝(KIOXA)256GB NVMe SSDよりも早い。
Surface laptop2のSKhynix 256GB NVMe SSDはPCIe3.0×2。
ThinkPad T520とMPro T376XはSATA3。
Cinebench
Cinebench R15
Cinebench R15 ベンチマーク値
Cinebench R15 測定結果
Legion 760 |
2175 |
Lavie Direct N15 |
766 |
Surface laptop2 |
585 |
ThinkPad T520 |
211 |
MPro T376X |
800 |
Cinebench R20
Cinebench R20 ベンチマーク値
Cinebench R20 測定結果
Legion 760 |
5096 |
Lavie Direct N15 |
1794 |
Surface laptop2 |
1306 |
ThinkPad T520 |
440 |
MPro T376X |
1989 |
Aviutlエンコード
用意した動画ファイルをエンコードし、エンコード時間、CPU温度、クロックスピードの推移を計測した。
素材
MOV 1280x720 8Bit AVC/H.264 Baseline@3.1 1:1 Progressive 29.97fps 7319f 8396.89kb/s
長さ:4分4秒 / サイズ:244MB
エンコード内容
素材を1280×720→1920×1080に変換。
x264でプロファイルを「Youtube」に設定。
そのほかは変更なし。
計測時の室温
Aviutl エンコード 計測時の室温
Legion 760 |
28℃ |
Lavie Direct N15 |
22℃ |
Surface laptop2 |
32℃ |
ThinkPad T520 |
28℃ |
MPro T376X |
18℃ |
エンコード時間
Aviutl エンコード時間
Legion 760 (パフォーマンス) |
2分32秒 |
Legion 760 (バランス) |
2分38秒 |
Lavie Direct N15 |
7分4秒 |
Surface laptop2 |
10分40秒 |
ThinkPad T520 |
24分7秒 |
MPro T376X |
5分34秒 |
エンコード時間のみを見る限り、サーマル・モードのパフォーマンスとバランスに差はない。
CPU温度とクロックスピードの推移
Aviutlエンコード時のCPU温度とクロックスピードの推移は、Core Tempのログ機能を使って計測した。
掲載しているグラフは、各コアの温度およびクロックスピードをコア数で割り平均したもの。
パフォーマンスモードだと終始4GHz、バランスモードでは3.8GHz。
パフォーマンスモードだと始めから100℃に近い温度で推移、バランスモードでは80℃弱。
パフォーマンスとバランスモードのエンコード時間の差はほとんどないので、この程度のエンコードならCPUにやさしいバランスでも十分なようだ。
パフォーマンスモードだと終始100度に近い温度だったが、もう少し時間のかかるエンコードの場合、ファンが最高速で回り温度が下がることも考えられる。
3D MARK デモ版(Time Spy、Fire Strike、Night Raid)
Time Spy
3D MARK Time Spy ベンチマーク結果
PC | スコア | グラフィックスのスコア | CPUスコア |
Legion 760 |
11973 |
12394 |
9253 |
MPro-T376X |
2007 |
1835 |
4305 |
Fire Strike
3D MARK Fire Strike ベンチマーク結果
PC | スコア | グラフィックスのスコア | 物理スコア | 総合スコア |
Legion 760 |
25710 |
29787 |
25412 |
12799 |
MPro-T376X |
5939 |
6711 |
10439 |
2367 |
Night Raid
3D MARK Night Raid ベンチマーク結果
評価 | スコア | グラフィックスのスコア | CPUスコア |
Legion 760 |
55735 |
116720 |
14072 |
MPro-T376X |
19422 |
26427 |
7763 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク
グラフィック設定:最高品質
解像度:1920x1080
表示方法:フルスクリーン
ドラゴンクエストX ベンチマーク結果
評価 | スコア | 評価 |
Legion 760 |
21424 |
すごく快適 |
MPro-T376X |
17760 |
すごく快適 |
FF14 ベンチマーク
グラフィック設定:最高、高、標準品質
解像度:1920x1080
表示方法:フルスクリーン
FF14 ベンチマーク結果
PC | スコア | 評価 |
Legion 760 | 最高品質 |
18642 |
非常に快適 |
MPro-T376X | 最高品質 |
7022 |
やや快適 |
高品質 |
8093 |
快適 |
標準品質 |
13088 |
とても快適 |
FF15 ベンチマーク
グラフィック設定:高、標準、軽量品質
解像度:1920x1080
表示方法:フルスクリーン
FF15 ベンチマーク結果
PC | スコア | 評価 |
Legion 760 | 高品質 |
10644 |
とても快適 |
MPro-T376X | 高品質 |
2305 |
重い |
標準品質 |
3426 |
普通 |
軽量品質 |
4629 |
やや快適 |
Legion 760のベンチマークまとめ
ベンチマーク結果 まとめ
ベンチマークソフト | Legion 760 | Lavie N15 | Surface laptop2 | ThinkPad T520 | MPro T376X |
Cinebench (R15/R20) |
2175 / 5096 |
766 / 1794 |
585 / 1306 |
211 / 440 |
800 / 1989 |
Aviutlエンコード時間 |
2分32秒 |
7分4秒 |
10分40秒 |
24分07秒 |
5分34秒 |
3D MARK | Time Spy |
11973 |
- |
- |
- |
2007 |
Fire Strike |
25710 |
- |
- |
- |
593 |
Nigth Raid |
55735 |
- |
- |
- |
19422 |
ドラクエX |
21424 (すごく快適) |
- |
- |
- |
17760 (すごく快適) |
FF14 | 最高品質 |
18642 非常に快適 |
- |
- |
- |
7022 やや快適 |
高品質 |
- |
- |
- |
- |
8093 快適 |
標準品質 |
- |
- |
- |
- |
13088 とても快適 |
FF15 | 高品質 |
10644 とても快適 |
- |
- |
- |
2305 重い |
標準品質 |
- |
- |
- |
- |
3426 普通 |
軽量品質 |
- |
- |
- |
- |
4629 やや快適 |
Legion 760のベンチマーク中の映像はまったくカクつくことなく、滑らかに再生された。
Legion 760のベンチマークを測定中に発熱部位をチェックすると、電源ボタン部のあるパネルがかなり熱くなっていた。キーボード上部もそこに接しているため熱くなっていたが、パネルほどではない。
パネルには穴が開いているので、ここが熱くなるのを前提で放熱穴が設けてあるのかもしれない。
底面はわずかに暖かい程度。
底面から吸気して、背面と側面4か所からの排気と上部電源ボタン部パネルからの放熱で、うまく熱の処理をしている印象。
サーマル・モードをパフォーマンス・モードにすると、ベンチマーク時のファンの回転は「シャー」と音を立てており、一番速い速度でファンが回っている時間は短かった。
Lenovo Legion 760の感想
メインで使っているThinkPad T520やデスクトップのマウスコンピューター MPro-T376Xと比較すると、もはや異次元の性能。
ゲームベンチマークではカクつくことはなく、液晶の表示は滑らかでLegion 760のパフォーマンスが高いことが感じられた。
すべてに軽快なので使っていて気持ちが良かった。
ThinkPad T520ではYouTubeの動画はカクつくことなく見れるので十分な性能はあると思っていたが、Legion 760はさらに滑らかに動画が再生され、こんなに違うものかと驚いた。
スピーカーの音量・音質も良く、個人的に外部スピーカーは不要だと感じた。
Legion 760の利点は、机でも、コタツでも、床でも、どこでも使え、メールからゲームまで幅広く軽快に使用できることにあると思う。
これ一台で何でもこなせるオールラウンドパソコンだと思った。
気に入った点
- 筐体の剛性が高く、家の中で移動させるのに安心感がある。
- 液晶がすばらしい。非光沢液晶はギラギラするものが多くて好きではなかったが、これば別格。動画などはヌルヌル再生される。
- スピーカーの音量、音質ともにいい。ノートPCでもこれだけの音が出せるのかと感心した。
- 液晶を開くときに指を引っかける突起があるのが便利。
- パフォーマンスモードやリフレッシュレートをショートカットで切り替えられるのが便利。
気になった点
- リターンキーやBack Space周辺のキーサイズや間隔が小さく狭くなっている。
- 後部の端子上部には電源を入れると文字が光るようになっているが、電源を入れていないときは文字がよく見えない。
- キーボードのバックライトパターンははFn+スペースキーで消せるようにできるが、音に合わせてスペクトラムアナライザのように光るのはオフにできなかった。
カールキーでバックライトの光量をゼロにできるので、これで対応するしかない?
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