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写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。

[書籍] お気に入り|2012/09/20 Thu
菅原一剛著『写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。』
写真を無性に撮りたくなる撮影の心。
写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。
写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。
菅原 一剛
ソフトバンククリエイティブ 2008-04-26

by G-Tools


お気に入り度:★★★★★

この本を説明するのに、糸井重里氏の帯の言葉が一番しっくりくる。

なんども見たくなる写真。
人に欲しがられる写真。
飾っておきたくなる写真。
そういう写真を撮るために、
知っておいたほうがいいことがある。

とにかく写真を撮りたくなる本だった。
今までは、どうしたら上手く撮れるだろうと思ったとき、撮影テクニックの本を手にしていた。
だけど、読めば読むほど技術的なことに気持ちが向いて、撮っていてもなんとなく楽しくない。
そして、そんな気持ちで撮った写真は、撮ろうと思ったときのイメージがうまく写っていないので、見ていてもつまらない。

そこで見つけたのが、この本だった。
目次を見ると分かるように、撮影するときの大切な“気持ち”の写し方が書かれている。
そして撮影の技術は、その“気持ち”を写すためのものであることに気づかされる。

目次

  • 第1章 カメラと一緒に歩いてみよう。
    • 写真の始まりは、いつもお散歩。
    • びくびくしながらも、真正面。
    • 光を観るために、空を撮る。
    • 何が何でも、失敗は成功のもと。
    • 上を向いて歩こう。
    • マジックアワーを知っていますか。
    • 写真は、ひとつのドアみたいなもの。
    • 一台のカメラと一緒に、旅に出よう。
  • 第2章 あなたの思いは、きっと写ります。
    • アングルを意識しながら、撮ってみよう。
    • 目に入ったものは、全部撮ってみよう。
    • ときにはフィルムを使って、大切に撮る。
    • 話しかけるように撮ってみよう。
    • スナップ写真はゆっくりたくさん撮ろう。
    • メイ・アイ・テイク・ユア・ピクチャ?
  • 第3章 ゆっくりものを見てみよう。
    • ゆっくりものを見てみよう。
    • ファインダーを覗かないと見えないもの。
    • 写真は、決して止まっていない。
    • 海に映る光は、半分の光。
    • 三脚のすすめ。
  • 第4章 ちょっと不思議な写真のしくみ。
    • 適正露出って、何だろう。
    • 写真は、けっして四角くない。
    • 桜の花びらが、はらはらと散る理由。
    • 光の色を意識しながら、撮ってみよう。
    • 目に見える光と、目に見えない光。
    • デジカメは嫌い、でもデジカメも好き。
    • 写真と水の親密な関係。
    • 青という色は、始まりの色。
    • 黒にもいろんな“黒”がある。
    • 改めてモノクロで撮ってみよう。
  • 第5章 写真は、ひとつの大切な“もの”。
    • 誰にでも、かならず大切な写真はある。
    • きっと、偶然なんてものはない。
    • すべてのものは写真とともにつながっていく。
    • プリントしてみないと、わからないこと。
    • 写真集を“読んで”みよう。
  • 第6章 季節の光の違いを写してみよう。
    • 近づいてみないと見えないもの。
    • 写真のために、まわり道をしてみよう。
    • 自分だけの写真集を作ってみよう。
    • 紅葉の色は、光の色。
    • 雲が光る瞬間を、追いかけてみよう。
    • あなたの“白”は、どんな色?
  • 第7章 正しいカメラとレンズの使い方。
    • ほんとうに正しい、カメラの選び方。
    • 写真はカメラではなくレンズが撮るもの。
    • いろんなカメラ、いろんなレンズ。
    • はじめてのライカ。
    • 標準レンズで見える、大切な“ふつう”。
    • “気配”を写す広角レンズ。
    • “視点”を写す望遠レンズ。
  • 第8章 ケータイだって、写真がもっと好きになる。
    • 毎日持ち歩く、ケータイカメラ。
    • ちょっとした工夫で写真が変わる。
    • 写真がケータイを大切な“もの”にする。
    • 『あかるいところは、あたたかいところ』
“気持ち”を写すための指南はとても丁寧だ。

「どんどん失敗しましょう!」というお話です。
これこそが写真の方法論の、基本のひとつのなのです。(略)
多くの場合、失敗を繰り返していく中で、
失敗しないための技を取得したり、
知識を身につけたりするわけです。(略)
実は技術の向上と同時に、失くしてしまうものもあります。
それは“思い”です。
“思い”こそが、いい写真を撮るために欠かせないと、
ぼくは考えています。

ハウツー本ばかりを見ていた自分には、やっぱり“思い”が欠けていたようだ。
こんな明確で優しい言葉に触れるにつれ、どんどん写真を写したいという気持ちが高まってくる。

カメラ選びは“何を撮りたいか”を
考えるところから、はじめよう。
新しくなくても、家にある古いカメラでもいい。
“何を撮りたいか”が、はっきりしないなら、
“持つよろこび”のあるカメラを探そう。

カメラ選びをするとき、どうしてもスペックばかりに気がいってしまう。
「お金を出す以上、少しでも性能のいいものが欲しい」
そういう気持ちが先立って、何を撮りたいか、など後回し。
だから、この言葉を読んだとき、写真よりカメラを優先していたんだと気がついた。

* * *
その他にも、ここにはハッとさせられる言葉が詰まっています。
写真を撮ることがつまらないと感じ始めたら、この本を読んでみては?
きっと、写真がもっと好きになると思います。

* * *
本書はWEBサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で公開された、『写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。』を加筆、編集したもの。
現在も『写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。|ほぼ日刊イトイ新聞』に公開されているので、興味のある人は読んでみてください。
本書の続編『写真がもっと好きになる。写真を観る編。菅原一剛の写真ワークショップ。』も含めて公開されています。

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